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目覚め

 悪夢の気配から逃れるように目を開ける。体の節々が重く、脳は微睡むように ぼんやりとしている。 夢と現実が臍の緒のように緩く繋がっているような気がして、しばらくの間おもむろに寝返りをうったりしてみたけれど、別に何も変わりはない。 這うようにしてベッドを出て、部屋のカーテンを開けると、窓の先には見慣れ た光景が横たわっている。無機質なビル群が聳え立ち、数々の車がガスを排出し て忙しなく動いている、灰色の、薄暗く、強大な世界。 その責め立てるような圧迫感に堪らなくなって、戸棚に置いてあったウォッカ をあおる。一滴一滴が胃へ染み込んでいく度に、体の奥底から燃え上がるような感覚を覚える。 離散していた輪郭はようやく一つの形を得て、生の実感が戻ってきた。

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